旅行先のニュージーランドの森で「森の父」と呼ばれる巨木に出会い衝撃をうけ、日本に帰ってから巨木を求めて神社巡りをするようになりました。
多くの神社を見て気づいたのは、日本人の山と森を大事にする精神です。
“林業”という仕事の中には、その精神が溢れていると思い、この業界に足を踏み入れました。

林業というと、戦後の高度成長期には丸太が高く売れて”儲かる仕事”でした。そして一昔前は“危険な仕事””儲からない仕事”としてネガティブなイメージがありました。
国産材は輸入材に押され、ピーク時の半分にも満たない価格で取引されるため、大量の丸太を作るために大型の重機を使って伐採搬出する機械化林業が一般化されました。
森づくりの補助金(税金)は重機を動かす大量の燃料や輸送費に費やされ、“きこりの技術”や“素材の価値”は対して評価されません。
そのような林業はもう終わりにしたい。“きこりの技術”が正当に評価され、国産材の魅力と価値を引き出す。
森を伐る時代から、森を活かす時代にフェーズが変わりました。富士山の周りの山や森を舞台に、そんな林業を目指したいと思います。